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海と建築が呼応する ― コンドミニアム・ザ・葉山

陽光を受けて白く輝く外壁。ガラスの面越しに、相模湾の水平線が静かに呼吸する。

葉山の海岸線に佇む「コンドミニアム・ザ・葉山」は、単なる集合住宅ではない。

それは、“風景の一部として生きる建築”という思想の具現である。


光と風を「住まいの構造体」として扱う

設計を手がけたのは鹿島建設のデザイン部門、KAJIMA DESIGN。

全34戸の低層レジデンスは、海と風を建築の一要素として捉える視点から生まれた。

住戸はすべて南西向きに配され、リビングからは水面を切り取るように海が見える。

壁一面のガラス越しに光が射し込み、チーク材の床をゆるやかに照らす。

昼下がりには光が壁をなぞり、夜には波の反射が天井に揺らめく。

ここでは、照明計画よりも自然光の設計こそが暮らしの主題となる。

風もまた、繊細に計算されている。

中庭や廊下の開口を通して、潮風が通り抜けるよう配置された建物は、

季節の湿度や風向きを受け止めながら、緩やかに換気と香りを運ぶ。

空調に頼らない“呼吸する建築”を、現代において成立させている。


素材の静けさが、海と響き合う

外観はスタッコ仕上げの白壁と、アルミとガラスの水平ライン。

マリンリゾートの要素を取り込みながらも、装飾を排したシンプルな佇まいは、

自然光の陰影によって表情を変える“余白の建築”だ。

室内では、左官仕上げの壁面とチーク無垢材のフローリングが

柔らかく光を受け止め、塩風に耐える素材としても機能する。

このマテリアルの選定は、単なる高級感ではなく、

「経年を美しく重ねるための設計」という思想に裏打ちされている。


動線が描く、海との距離感

エントランスを抜けると、視線はすぐに海へと導かれる。

アプローチは直線ではなく、わずかにカーブを描きながら、

歩を進めるたびに光と風景が変わっていく。

住まいの内部においても、リビングと寝室を結ぶ廊下が

まるで“光のトンネル”のように計画され、

朝夕でまったく異なる光のリズムを感じさせる。

共用部に設けられたプールは、海面とほぼ同じ高さに水面を設え、

視覚的には海と連続して見える構造だ。

まるで海が建物の中に入り込んだような、

風景の延長としての水盤

それは、建築が自然に敬意を払いながら融合する、美しい瞬間である。


生活の時間が、風景を完成させる

“住む”という行為が、この建築においては風景の完成の一部となる。

住人が窓を開け、カーテンが風に揺れ、

夜には灯りがひとつ、またひとつ灯る。

その柔らかな光が、外の闇に浮かぶ建築の輪郭を描き出す。

建築が風景をつくり、

風景が暮らしを育て、

暮らしがまた新しい建築の表情を生み出す。

その循環のなかに、「コンドミニアム・ザ・葉山」の本質がある。


編集後記

リゾートと日常のあいだ。

特別と日常の境界線を、繊細な素材と光の演出で融かしていく。

それは、ただの“高級マンション”ではなく、

「住む人の感性によって完成する建築」であり、

湘南という風土の記憶とともに呼吸し続ける“作品”といえるだろう。

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