湘南で移住希望者に人気のランキングは?湘南7エリアの移住人気動向総合分析(2015〜2025年)

湘南で移住希望者に人気のランキング
湘南で移住希望者に人気のランキングは?湘南7エリアの移住人気動向総合分析(2015〜2025年)
要約(Summary)
神奈川県湘南エリアに位置する葉山町・逗子市・鎌倉市・藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市・大磯町の7市町について、2015年から2025年にかけての移住希望者から見た人気動向を総合分析します。「住みたい街」ランキング、人口移動(転入超過)、居住満足度、物価・家賃水準、行政サービス(子育て支援・移住支援)という5つの指標から各市町の人気度とその推移を評価しました。
分析の結果、湘南エリア全体で人気が上昇傾向にあり、特に藤沢市・茅ヶ崎市が近年大きく順位や転入者数を伸ばしています。湘南の玄関口ともいえる藤沢市はSUUMO「住みたい街ランキング」で急上昇し、単身若年層から子育てファミリーまで支持を拡大。茅ヶ崎市は人口移動統計で全国有数の転入超過を記録し、子育て世代の流入が顕著です。一方、鎌倉市・葉山町・逗子市は住民の愛着度・満足度が極めて高いエリアであり、移住希望者のみならず現住者からも長く住み続けたい街として高く評価されています。以下、各指標ごとに詳細な動向を報告します。
1. 「住みたい街」ランキングの動向
湘南エリアの人気は、大手不動産サイト等の「住みたい街ランキング」にも反映されています。特に鎌倉市と藤沢市の2市は首都圏ランキングで上位に名を連ねており、近年さらに順位を上げています。
-
鎌倉市は安定した人気を誇り、SUUMO調査の2023年首都圏版自治体ランキングでは総合10位にランクインしました。首都圏の人気自治体トップ10に湘南エリアから唯一食い込んでおり、「街の名前自体がブランド」という声もあるほど高い憧れを集めています。SUUMO駅別ランキングでも鎌倉駅は2023年に8位となり、2018年の14位から着実に順位を上げています(※2018年14位→2023年8位)。
-
藤沢市は近年急伸している注目株です。SUUMOの2025年「住みたい街(駅)」ランキングでは、藤沢駅が前年度31位から23位へと過去最高順位に躍進しました。特に20〜30代の支持が厚く、「得点ジャンプアップした街」ランキングでもトップクラスの伸びを示しています。藤沢はもともと子育て世帯に安定した人気がありましたが、単身男性など新たな層からの支持増もあり総合力で順位を上げたと分析されています。SUUMOは藤沢躍進の要因について「都心からの距離感や利便性に加え、住宅価格・賃料が高騰する中で手の届きやすさが評価された」点を指摘しています。こうしたコストパフォーマンスの良さも藤沢が“住みたい街”として再評価されている理由といえます。
-
茅ヶ崎市・逗子市・平塚市・大磯町・葉山町については、SUUMOランキングのトップ50圏内には入らないものの(逗子市や茅ヶ崎市は50位前後)、湘南らしい暮らしやすさへの根強い人気があります。例えば住宅ローン会社ARUHIが実施する「本当に住みやすい街大賞」では、藤沢市内の辻堂駅エリア(藤沢市と茅ヶ崎市に跨る地域)が2022年に総合第1位を獲得しました。辻堂は再開発による利便性向上と海浜公園や海岸の自然が調和した街として評価され、湘南エリアの生活環境の良さが再確認されています。このようにランキング外でも各市町が注目される機会が増えており、湘南エリア全体のイメージ向上につながっています。
2. 人口流入・転入超過の推移(総務省統計)
湘南7エリアでは、この10年で人口の社会増(転入超過)が顕著に見られます。特に2019年以降、首都圏からの移住加速が数値に表れており、新型コロナ以降のリモートワーク普及も後押しとなりました。総務省「住民基本台帳人口移動報告」のデータから、各市町の直近動向を紹介します。

-
藤沢市は2010年代後半から継続的に転入超過が増加傾向にあります。2018年に年間転入者19,998人、2019年20,380人と増え続け、2020年度(2020年4月〜21年3月)の転入超過数は3,244人と過去最大を記録しました。これは神奈川県内で横浜市(12,447人)、川崎市(5,587人)に次ぐ3位、全国の市町村でも12位に相当します。年代別では0歳〜14歳、15〜64歳、65歳以上の全ての区分で転入超過となっており、幅広い世代に選ばれていることが分かります。実際、藤沢市は2021年7月に人口44万人を突破しており、従来予測より4年も早いペースで人口が増加しています。
-
茅ヶ崎市は近年、藤沢市以上に顕著な人口流入が見られます。2023年は転入者10,135人・転出者7,615人で+2,520人の転入超過となり、前年より超過数がさらに960人増加しました。この数は全国の市区町村で第9位、東京23区と政令市を除く一般市町村としては全国1位の増加となっています。特筆すべきは、年代構成が東京圏と対照的な点です。東京都区部が15〜29歳の若年単身層中心の流入である一方、茅ヶ崎市は15〜29歳では転出超過だが、0〜14歳児と30〜44歳の子育て世代で大幅な転入超過となっています。実際、これら子育て世代の転入超過数は全国3位に入る規模で、「若い頃に都心へ出た人が、結婚・出産を機に茅ヶ崎に移り住む」という流れがうかがえます。湘南らしい海辺のライフスタイルや子育て環境に魅力を感じ、リモートワークを活用しながら茅ヶ崎に定住するケースが増えていると推察されます。
-
平塚市も安定して毎年転入超過を維持しています。2023年は+2,499人と茅ヶ崎市に迫る増加数を示し全国10位でした。平塚市の場合、茅ヶ崎・藤沢ほど急伸ではないものの、近隣に比べ地価や家賃の割安感もあり、湘南エリアのコスパの良い穴場として人口流入が続いています。特に東京都心から比較的離れた湘南西部の中核都市として、広い持ち家や戸建て志向のファミリー世代に選ばれている傾向があります(平塚市は「湘南で子育てするなら平塚市」というキャッチフレーズで移住PRも行っています)。
-
逗子市・葉山町・大磯町といった規模の小さい自治体も微増傾向です。逗子市の2023年転入超過数は+62人、大磯町は+108人とわずかながら社会増となりました。逗子市は高齢化に伴う自然減で人口総数は減少傾向ですが、社会動態だけ見ると20〜40代の流入超過が続いている年もあり(特に2016年など)、湘南ライフへの根強いニーズが伺えます。葉山町も統計上は横ばいですが、リモートワーク普及以降に都心からの二地域居住や週末移住先として人気が高まっており、実際に移住相談窓口への問い合わせ増加など定性的な人気上昇が報告されています(具体的数値は小規模ゆえ統計に表れにくいものの、後述の満足度調査で顕著です)。
以上のように、湘南エリアはこの10年一貫して「転入超過」傾向にあります。特にコロナ禍前後で都心からの人口流入が加速し、その勢いは2023年時点でも続いています。湘南エリアの豊かな自然環境や程よい都市機能が再評価され、「都心に通勤圏内で生活環境が良い場所」として広範な世代に選ばれていることが統計的に裏付けられています。
3. 居住者の住み心地・満足度
移住希望者の人気だけでなく、実際に住んでいる人々からの評価(住み心地・満足度)も湘南エリアの魅力を物語っています。居住満足度に関する大規模調査(大東建託「いい部屋ネット 街の幸福度&住み続けたい街ランキング2024」など)の結果では、湘南エリアの自治体が神奈川県内トップクラスを占めました。
-
「住み続けたい街(自治体)ランキング」(2020〜2024年回答の累計集計)では、葉山町が3年連続で神奈川県1位、鎌倉市が2位、逗子市が3位と湘南地域が上位を独占しています。さらに茅ヶ崎市5位、藤沢市7位とトップ10中5つを湘南エリアが占めました。葉山町は「街の幸福度」ランキングでも県内1位であり、海と山に囲まれた豊かな自然環境と静かで穏やかな暮らしが高く評価されています。住民からは「毎日散歩しても飽きない美しい街」「親孝行も兼ねて住み続けたい」など愛着の声が多数寄せられています。鎌倉市も「街自体がブランドで誇り」「子育て支援がしっかりしていて子どもを育てやすい」「海や山の自然が多く伸び伸び暮らせる」といった声があり、現住者の満足度が非常に高いことが分かります。
-
「街の幸福度(自治体)ランキング」でも、葉山町が県内1位、逗子市が2位、鎌倉市が4位と上位を湘南勢が占めました。さらに大磯町が6位に急上昇し、藤沢市も10位に入っています。逗子市は前回4位から2位へ上がっており、「穏やかな環境で暮らしやすい」「程よい街の規模で生活に不便がない」といった評価を得ています。大磯町は回答者数が少ないながらも静かな住環境が評価され、幸福度偏差値で県内トップクラスとなりました。藤沢市は幸福度順位こそ10位ですが、回答者数(居住者数)が非常に多い中で満足度が高いことを意味しており、特に「街に誇りがある」「愛着がある」という項目でも湘南地域が総じて上位に来ています。
以上のように、湘南7エリアはいずれも「住みやすい」「幸せに感じる」と住民から評価されています。とりわけ葉山・逗子・鎌倉の満足度は群を抜いており、「いつまでも住み続けたい」と思われる街**であることがデータに表れています。これらの評価が高い背景には、美しい自然景観や落ち着いた地域コミュニティ、行政サービスの充実などが考えられ、後述の子育て支援の充実度とも関連しています。
4. 物価・家賃水準とコストパフォーマンス
生活コスト(物価・家賃)の面から見ると、湘南エリアは首都圏の中で比較的リーズナブルな水準にあります。東京都心や横浜・川崎の都心部と比べると家賃相場や物価指数が低く、「同じ予算でも広い住まいと豊かな環境が得られる」**というコストパフォーマンスの良さが、近年人気を高めている一因です。
-
家賃相場:藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市などは、例えば単身者向けワンルーム〜1LDKの平均家賃が7万円前後と推定され、東京都区部(平均10万円超)に比べて割安です(SUUMOデータより)。実際SUUMOの分析でも、藤沢など郊外ターミナル駅が人気上昇した理由の一つに「住宅の価格や賃料が手の届きやすい」ことが挙げられています。茅ヶ崎市や平塚市は藤沢よりさらに地価・家賃が低く、東京通勤圏で戸建てや広めのマンションを求めるファミリー層には“コスパの良い穴場”として映っています。
-
物価・生活費:湘南エリアの物価水準は都心より僅かに低めとされます。総務省の小売物価統計など市町単位の物価指数は詳細データが限られますが、生活実感として駐車場代や日用品価格が安い、新鮮な地場産食材が手頃に入手できるといった利点が語られます。例えば平塚市は郊外型の大型店が多く日用品が安価、茅ヶ崎市は漁港直送の魚介や近隣農産物が豊富、葉山町は直売所で地野菜が安く買える等、それぞれ生活コストを抑える魅力があります。また首都圏主要駅までの交通費も、小田急線・JR東海道線沿線の藤沢〜平塚は都内より定期代が安く(湘南新宿ラインで直通可能)、これら積み重ねが家計に優しい地域といえます。
-
購入住宅価格:不動産価格の面でも、湘南エリアは「ピンからキリまで」幅がありますが、一般的に同じ海沿いブランドでも鎌倉≒葉山>逗子≒藤沢>茅ヶ崎≒平塚>大磯の順で地価水準が下がります。鎌倉市や葉山町は観光地・高級住宅地として土地価格が高めですが、それでも東京の高級住宅街と比べれば割安感があります。藤沢市・茅ヶ崎市は再開発エリア(辻堂など)を除けば手頃な中古マンションも多く、都心からの移住検討者が**「同じ予算でワンランク上の広さ・環境を得られる」ケースが少なくありません。例えばARUHIのインタビューで藤沢市長は「都心と比べ比較的安い費用で自然豊かな暮らしができることが藤沢の魅力」と述べており、これが子育て世代を中心に移住を決断させる重要な要素となっています。
以上のように、湘南7市町は生活コスト面でのアドバンテージがあり、それが「憧れやすさ」から「現実に住みやすい選択肢」へと評価を変えつつあります。近年の人気上昇は、単なるイメージではなく経済的合理性にも裏付けられている点が大きな特徴です。
5. 子育て支援・移住支援など行政サービスの充実度
最後に、各自治体の行政サービス(子育て支援策・移住者支援策)について比較します。湘南エリアは子育て世帯の流入が多いだけに、自治体ごとに独自の支援制度を設けて子育て環境の充実を図っています。また移住希望者に向けた情報発信や住宅支援も活発で、これらの施策が移住人気を後押ししています。
-
藤沢市の子育て支援:藤沢市は県内トップクラスの子育て支援充実度で、専門家によるランキングでも神奈川県内ベスト5に選ばれています。特徴的な施策に、夜間緊急時に子どもを預かる「トワイライトステイ」事業、電話で24時間育児相談ができる「ふじさわ安心ダイヤル24」などがあります。特に待機児童対策に力を入れており、2021・2022年度には待機児童ゼロを達成(2024年4月時点でも待機児童わずか3人)。認可保育園の定員増や認定こども園の新設を積極的に進め、安心して子どもを預けられる環境を整えました。この結果、「子育てしやすい街」としての評価が定着し、子育て世帯の転入超過にもつながっています。
-
茅ヶ崎市の子育て支援:茅ヶ崎市も保育環境や医療助成で手厚い支援を行っています。0〜18歳の医療費を完全無償化(県制度に上乗せ)し、中学校卒業まで医療費負担ゼロとしています。また公立の**「茅ヶ崎市こどもセンター」では児童館機能だけでなく子育て相談や一時預かりも行い、親同士の交流イベント「イクメン講座」なども開催しています。移住者への支援としては市内の子育て情報をまとめたサイトや冊子を整備し、「湘南で子育てするなら平塚市」に対抗して「ちがさきで子育て」の魅力を広報しています。こうした姿勢が子育て世代から支持され、前述のように子育て世代の転入超過数が全国トップクラスとなりました。
-
鎌倉市の子育て支援:鎌倉市は待機児童解消に加え、小中一貫教育や少人数学級の推進など教育環境の整備で知られます。市独自に小中学校の普通教室にエアコン設置を早期に完了させたり、図書費補助を手厚くしたりと、子どもが快適に学べる環境づくりに注力しています。また医療費助成は高校生世代までカバーし、さらに第3子以降の保育料無料化など多子世帯支援も行っています。移住検討者向けには、鎌倉でのテレワーク・多拠点生活を研究する**「鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会」を設置し、ワーケーションや移住のモデルケース発信も行っています。歴史的文化都市というイメージに加えて行政の先進的取組も多く、移住希望者からも「子育てとリモート勤務を両立できる街」として注目されています。
-
葉山町・逗子市・大磯町の支援:これら小規模自治体も特色ある支援策があります。葉山町は子育て世代向けガイドブック「葉みんぐ(Hayaming)」を作成し、妊娠期から子育て期までの行政サービス情報を一冊にまとめ提供しています。また町営住宅や空き家バンクの情報発信により、移住希望者が住宅を確保しやすい仕組みも整備しています。逗子市は「ずし子育て支援マップ」をオンライン公開し、公園・児童館・子育てサロン等の場所や利用方法をわかりやすく案内しています。さらに、市内在住の子育て世帯に市営駐車場の割引券配布などユニークな支援も行い、子育て家庭の経済的負担軽減を図っています。大磯町は自然環境を活かした子育て支援として、未就学児と親が参加できる「海浜親子教室」「里山親子体験プログラム」を開催し、地域ぐるみで子どもの成長を見守る取り組みが評価されています。総じて小規模町村でも**「きめ細かな子育て支援」**に力を入れており、それが幸福度ランキングでの高評価(葉山1位、大磯幸福度6位など)につながっています。
-
移住者支援全般:湘南エリア各自治体は移住・定住促進にも積極的です。県のまとめによれば、藤沢市・鎌倉市・茅ヶ崎市・平塚市はいずれも専用の移住定住サイトや窓口を設け、セミナーや相談会を開催しています。特に平塚市は「湘南で子育てするなら平塚市」という移住特設サイトを開設し、実際に移住した家族の体験談など情報発信を強化しています。葉山町・逗子市・大磯町も空き家バンク制度を運用しており、空き家情報の公開やDIY改修への補助などユニークな取り組みで外部からの人材受け入れを進めています。例えば葉山町では「住宅リフォーム資金補助制度」があり、移住者が古家を改修する際に経済負担を軽減する助成を行っています。大磯町は古民家を活用した「二地域居住」モデル事業に参画し、都市住民が週末だけ移住体験できる場を提供しています。このような行政の後押しがあることで、湘南エリアは「移住者をウェルカムに迎える土壌」が整っており、安心して新生活を始められる街との評価を得ています。
6. おわりに:近年の傾向と各市町の人気ポイント
2015〜2025年の趨勢を総括すると、湘南7エリアはいずれも移住希望者からの人気が高まりましたが、その魅力の現れ方は市町ごとにやや異なる層を引き付けていることが分かります。
-
藤沢市・茅ヶ崎市:これらは子育て世帯と若年単身層の双方に人気を伸ばした点が顕著です。藤沢市はテレワーク時代の到来に合わせ、単身男性からの支持が急上昇し、元々強かったファミリー支持と相まって「誰にとっても暮らしやすい街」という評価を確立しました。駅前再開発や商業施設充実など利便性が増したこともあり、都心通勤者にとって住み替え候補の筆頭となっています。茅ヶ崎市は家族連れの移住が特に多く、実際に0〜14歳児と30代親世代の流入が際立っています。「海のある郊外で子育てしたい」というニーズにマッチし、湘南らしい開放的な子育て環境を求める層から熱い支持を得ました。
-
鎌倉市・葉山町・逗子市:これらは従来からのブランド力と高い生活満足度によって、主にミドル〜シニア層や富裕層の憧れの移住先として不動の地位を占めます。鎌倉市は歴史文化と自然が調和した街並みで、「いつか住みたい街」として不動の人気があります。実際に移住した人も「鎌倉に住んでいると周囲から羨ましがられる」と誇りに思うとの声があり、街への愛着が非常に強いことが特徴です。葉山町は都会の喧騒を離れた落ち着きを求める人々に支持され、皇室の別邸がある由緒や高級別荘地の伝統も相まってシニア世代からの評価が高いです。逗子市は都心へのアクセスと静かな生活環境を両立できる点で子育て後の夫婦やリタイア世代に人気です。もちろん子育て世帯にも適した環境ですが、人口規模が小さく商業も限定的なため、ゆとりあるスローライフ志向の層にフィットしていると言えます。これら3市町は派手さよりも「安心して長く暮らせる街」としての評価が高く、実際に満足度調査でもトップクラスでした。
-
平塚市・大磯町:湘南エリアの西部に位置する両市町は、程よい地方都市としての住みやすさが持ち味です。平塚市は商業施設や医療機関が充実し、生活利便性は湘南随一です。転入超過の年代を見ると20〜40代が中心で、茅ヶ崎・藤沢からもう一駅離れても広い家や車中心の生活を望むファミリーに支持されています。また「湘南ひらつか七夕祭り」に象徴される地域イベントの多さや、湘南ベルマーレのホームタウンとしてのスポーツ環境など、地元コミュニティの一体感が移住者にも魅力です。大磯町は湘南エリアでも特に落ち着いた雰囲気で、明治以来の別荘地として文化人・政財界人に愛されてきました。近年は若い芸術家の移住もあり、古民家カフェやギャラリーなどスローライフと創造性を好む層から注目されています。人口規模が小さい分コミュニティも濃密で、**「人の温かさが感じられる町」として住民幸福度が上昇しています。
総括すると、湘南7エリアはそれぞれ異なる個性と強みで多様な層を惹きつけており、近年その傾向が一段と強まりました。都会的利便性と自然環境のバランス、コミュニティの魅力、そして行政サービスの支えにより、湘南エリアは「住みたい街」から「実際に住んで満足できる街」へと評価を高めています。2015年から2025年にかけてのデータを総合すれば、湘南地域は今後も移住希望者から選ばれ続け、各市町がそれぞれのターゲット層に応じた魅力発信と環境整備を進めることで、さらに人気と定住率を高めていくことが期待できるでしょう。
参考資料:
-
【4】SUUMOジャーナル「住みたい街ランキング2025 藤沢が過去最高の順位に急上昇!」(2025年4月9日)suumo.jpsuumo.jp
-
【6】All Aboutニュース「県民が選ぶ『神奈川県の住み続けたい街』ランキング」(2024年9月10日)news.allabout.co.jpnews.allabout.co.jp
-
【9】大東建託「いい部屋ネット 街の幸福度&住み続けたい街ランキング2024<神奈川県版>」プレスリリースkentaku.co.jpkentaku.co.jp
-
【10】同上(詳細データ)kentaku.co.jpkentaku.co.jp
-
【13】レアリア(地域情報サイト)「茅ヶ崎市が子育て世代の転入超過数全国3位!(2023年データ速報)」(2024年2月)rarea.eventsrarea.events
-
【15】タウンニュース藤沢版「人口増の背景に移住者 『湘南』人気も影響」(2021年8月20日)townnews.co.jptownnews.co.jp
-
【22】SUUMOジャーナル「住みたい街ランキング2025 コスパのよい郊外都市の人気上昇」(2025年3月6日)suumo.jp
-
【24】ARUHIマガジン「本当に住みやすい街大賞2022 第1位 辻堂(藤沢市長インタビュー)」(2022年1月19日)magazine.sbiaruhi.co.jpmagazine.sbiaruhi.co.jp
-
【28】RE:days子育てコラム「子育て支援が手厚い神奈川県の自治体ベスト5」(2024年3月)re-days.jpre-days.jp
-
【31】神奈川県ホームページ「県内市町村の移住・定住支援」(2025年8月更新)pref.kanagawa.jp(各市町の移住支援策一覧)